会社設立は自分でできる

会社設立手続き書類

情報が溢れるこの時代、会社設立に関する情報も簡単に入手することができます。

会社設立はお手本通りに手続きを進めれば誰にでもできます。

1.定款を作成 ―会社設立は定款が全て―

会社設立手続きを進めるなかで、定款が完成すれば、会社設立手続きの大半が終わったと言っても過言ではありません。

定款には、設立する会社の名称、住所、組織形態、役員、株式など法人登記に必要な情報が全て記載されてます。

定款さえ完成させてしまえば、後はマニュアル通りに手続きを進めればいいのです。

定款の作成方法はこちらを参考  >>定款と電子定款

2.印鑑を購入

会社を設立する際は、発起人(会社を設立する人)の実印代表取締役印が必要になりますので、会社設立手続きを始めた段階で購入を進めましょう。

購入する印鑑の種類

  • 実印(発起人)
  • 代表取締役印(社名と”代表取締役印”等が書いてあるもの)
  • 銀行印
  • 角印
  • 社名、住所等が入ったゴム印

銀行印は必要ないのか

銀行の法人口座を開設する時に銀行印が必ず必要かと言えば、必ずしも必要ではありません。

銀行印には代表取締役印を使用することができるからです。ただ、従業員等に代わりに銀行に行ってもらうなど複数人が印鑑を使い回すことが予想される場合は、そのたびに代表印を渡すのはセキュリティー上よくないので銀行印を作った方がいいかもしれません。

角印は必要か

角印とは会社名が入った、その名の通り四角い印鑑です。

請求書や領収書、見積書など比較的重要度の低い書類に押印するもので、押印しなくても書類が完成しないことはありません。

最近は、そういった書類はデータでやり取りするので、実物よりもデータで作った角印の方が活躍するのではないでしょうか。

ゴム印は必要か

必ずとも必要ではありませんが、会社によっては会社名、住所、連絡先等のゴム印があった方が楽な場合があります。

ゴム印に関しては、使用方法が明確に決まっていない場合は、急いで作らず、必要性が感じられた時に作成すればよいでしょう。

3.資本金の振り込み

資本金を発起人(発起人が複数の場合はその中のひとり)の口座に振り込みます。

入金するタイミングは以下の通りです。

  • 株式会社:専門家から定款作成完了の連絡が来た日以降
  • 合同会社:定款に印字された定款作成日以降

残高に関わらず、改めて入金作業を行わないと資本金として認められません。

※入金後、2週間以内に登記書類を法務局に提出する必要があります

振り込みが完了したら、控えをとりましょう

こちらはネットバンキングで資本金を振込んだ時の例です。

最近はネットンバンキングで完了するケースが多いと思いますが、ネットバンキングの場合は、上のようにスマートフォンのスクリーンショットで大丈夫です。こちらの例では、新たに設立する法人の為に、新たに銀行口座を開設したので、振り込み金額=残高になっていますが、残高は関係ありません。資本金額より多く振込んむ場合は問題ありませんが、資本金額を下回ってはいけません。

大切な事は、発起人名義の口座に、いつ、誰から、いくら、新たに資本金が振り込まれたかを証明できることです。

4.法人登記申請

定款、印鑑が揃ったら法人登記申請書を法務局に提出しましょう。

>>法務局法人登記申請ページ

必要書類

  • 法人登記申請書
  • 発起人の印鑑証明
  • 取締役の印鑑証明
  • 定款(電子定款)

↓登記申請書類の綴じ方をFreeeさんから引用させていただきました

登記は法務局の込み具合にもよりますが、申請して約1~2週間で完了します。

法務局で提出する場合は提出窓口に登記完了予定日が書いてありますし、提出後に完了予定日のプリントをもらえます。

登記が完了しても法務局から連絡があるわけではありませんので、確認するには、法務局に電話するか国税庁の法人番号検索サイトで検索して、自分の会社が表示されれば、登記は完了しています。国税庁の法人番号検索サイトに登録されるのは少し時間差があるので、急いで登記完了を確認したい場合は、申請書を提出した(管轄の)法務局に電話した方が早いです。

>>国税庁の法人番号検索サイト

登記書類は郵送でもOK

登記書類は郵送でも問題ありません。設立登記申請書の郵送先は「本社所在地を管轄する法務局」です。あらかじめ法務局のホームページで確認しておきましょう。

郵送する際は以下を気をつけて下さい。

登記書類を郵送する際の注意点

  • 普通郵便でも問題ないが、念の為、書留で送る
  • 会社設立日は書類が法務局に到着し、かつ申請が受理された日となる
  • 日中に連絡がつく電話番号を申請書の上部に鉛筆で記載しておく
  • 封筒に「登記申請書在中」と明記しておく

なお、法務局は「不動産登記管轄区域」と「商業・法人登記管轄区域」のエリアが異なるケースがあります。また、支局や出張所の多くは商業・法人登記の事務手続きを行っておらず、都道府県の本局や支局などが広域をカバーしている事が多く見られます。

管轄の異なる法務局や、手続きに対応していない支局等に郵送しても申請は受理されないため、注意してください。

5.各種届出

法人の登記申請の他にも各所に提出する書類があります。

税務署

法人設立届出書

添付書類:登記簿謄本定款の写し、設立時の貸借対照表、株主名簿の写し、現物出資があるときは出資者の氏名・出資金額等を記載した書類
期限:会社設立から2か月以内
>>法人設立届出書(国税庁)

個人事業の開廃業届出書

個人事業主から法人になる場合は、個人事業主の廃業届も提出します。
期限:廃業の事実があった日から1か月以内

法人税の青色申告の承認申請書

期限:設立から3か月以内、設立から3か月以内に事業年度が変わる場合は事業年度内
>>青色申告の承認申請書(国税庁)

給与支払事務所等の開設届出書

期限:最初の給与支払い日まで
>>給与支払事務所等の開設届出書(国税庁)

棚卸資産の評価方法の届出書

期限:最初の確定申告まで(最初の決算日から2か月または3か月)
>>棚卸資産の評価方法の届出書

減価償却資産の償却方法の届出書

期限:最初の確定申告まで(最初の決算日から2か月または3か月)
>>減価償却資産の償却方法の届出書

各都道府県の税務事務所と市区町村役場にも法人設立届を提出します。

東京都の場合:法人設立届出書

労働基準監督署

適用事業報告

労働基準法の適用を受ける事務所となったときに提出します。つまり、アルバイトや社員を雇ったときです。
>>厚生労働省「労働基準法関係主要様式

就業規則届

常時10人以上の従業員を使用するようになったら、就業規則を作って提出します。
添付書類:労働者の代表の意見書を添付します。
>>厚生労働省「就業規則一括届出制度

労働保険関係成立届

期限:労働保険関係が成立した日の翌日から10日以内です
>>厚生労働省「労働保険の成立手続

労働保険概算保険料申告書

期限:会社設立の日から50日以内です
>>労働保険概算保険申告書概算保険料の申告(電子申請)

時間外労働・休日労働に関する協定

従業員を時間外や休日労働をさせる場合に出します。
>>時間外労働・休日労働に関する協定届

雇用保険被保険者資格取得届

期限:雇用保険適用事業所となった日の翌日から10日以内です
添付書類:労働者名簿賃金台帳出勤簿とタイムカード
>>ハローワークインターネットサービス「雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険の事業所設置の届出

従業員が雇用保険に加入することを労基署に報告する書類です。
期限:雇用保険適用事業所となった日の翌日から10日以内
添付書類:履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、事業所の賃貸借契約書労働者名簿賃金台帳出勤簿、タイムカード
>>雇用保険の事業所設置の届出

年金事務所

新規適用届

従業員が年金に加入したら。
添付書類:履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、事業所の賃貸借契約書労働者名簿賃金台帳出勤簿、タイムカード、厚生年金保険被保険者証(年金手帳)、保険料納付誓約書、口座振替依頼書
期限:事実発生から5日以内
>>新規適用の手続き

被保険者資格取得届

健康保険や厚生年金保険に加入する従業員が出たら提出します。
期限:被保険者の資格を取得した日から5日以内
>>被保険者資格取得届

健康保険被扶養者(異動)届

被保険者に扶養者がいる場合は速やかにこの届出を提出します。
提出先:年金事務所
添付書類:被扶養者となる者の収入状況を示す書類、同居用件が必要な場合は住民票等
リンク:健康保険被扶養者(異動)届

国民年金3号被保険者資格取得届

健康保険被扶養者(異動)届と同時に提出します。
>>国民年金3号被保険者資格取得届